隣のキミをもっと溺愛、したい。

明日の試合のことを考えながら
廊下を歩いていると、
うしろから肩を叩かれた。


振り向くと、
そこにいたのは葉月だった。



「一ノ瀬、最近調子いいらしいじゃん。
前川が嬉しそうに話してたよ」


ジャージ姿の葉月が笑う。


「女バスも選抜、頑張れよ。明日だろ」


それだけ言って歩き出すと、
葉月がうしろからついてきた。


「まだ、なにかあるのかよ?」


不思議に思ってたずねると、
葉月が言いにくそうに口を開く。


「あのさ、やっぱり私じゃダメなのかな」


「なにが?」


口ごもる葉月に眉をよせると、
顔をあげた葉月にまっすぐに見据えられた。


「次期キャプテン同士じゃなかったとしても
一ノ瀬の隣にいたい。と、思ってる」


「は?」


「私、中学の頃から
ずっと一ノ瀬に憧れてたんだ。

一ノ瀬のぼんやりしてるところも、
バスケになると目の色が変わるところも
好きだった。

そう、好きだったの。だから、ごめん」