隣のキミをもっと溺愛、したい。

【一ノ瀬side】

日の出前のまだ薄暗いなか、
花籠神社の石段を上る。

冷たい朝の空気を
胸いっぱいに吸いこんで、目を伏せる。


天野が入院してから、

毎朝、神社で手を合わせてから
朝練に向かうようになった。

しずかな神社の境内には
あの日の天野との思い出が
残っているようで、

ここにいるときだけは
天野を感じることができた。


どうか
天野をお守りください。



かたく手を合わせ、
いつもと同じ願いを胸のうちで繰り返すと、
空を仰いで、学校へと向かった。