隣のキミをもっと溺愛、したい。

【羽衣side】

一ノ瀬くんが部活へ行くと、
とぼとぼと体育館裏の花壇へ向かった。


花壇の横に置かれたベンチに座って
空を仰ぐと、

どんよりと曇った重たい空が
涙でにじむ。


『俺が天野を好きになったから』

『全部、終わったこと』

一ノ瀬くんの言葉が
ぐるぐると頭のなかをまわる。


もし、ケガをしなければ、
なにかが違っていたのかな……


先輩たちからの嫌がらせは、
本当に怖かったけれど、

一ノ瀬くんが助けてくれて、
すごく嬉しかった。


でも、もう、全部終わったこと。


一ノ瀬くんを好きな気持ちも
消さなきゃいけないのかな……


一ノ瀬くんから借りたタオルから
一ノ瀬くんの香りがして

涙がポロリとこぼれて
止まらなくなった。