隣のキミをもっと溺愛、したい。

【羽衣side】


「羽衣、これ、
一ノ瀬くんに渡してもらえる?」


去年同じクラスだった鈴木さんから、
一ノ瀬くん宛のメモを預かった。


そういえば、よく一ノ瀬くん宛ての手紙、
預かってたな。


預かったメモをにぎりしめて
少し緊張しながら、
一ノ瀬くんの席に近づく。


「一ノ瀬くん、これ預かったよ」


ドキドキしながら一ノ瀬くんに
小さなメモを差し出すと、

一ノ瀬くんは目を合わせることも
メモを受け取ることもせずに

席を立って
教室を出て行ってしまった。


すると、それを見ていた朝歌が
にっこりと笑う。


「羽衣、このメモ、私が預かるよ。
あとで私から一ノ瀬くんに渡しておくから」


「う、うん」


一ノ瀬くんの後ろ姿に、ツキンと胸が痛む。


この前、一緒に帰ったときには
普通に話せたのにな。


なんだか、
避けられてるような気がするのは
気のせいなのかな。


ツキンと響く胸の痛みに
ズキズキとした鋭い頭痛が加わり、

気持ちまで悪くなってきた。

そういえば、
喉がカラカラだ。

お水、買ってこようかな。


と、席を立ったところで、
廊下からうちの教室をのぞきこむ葉月さんと
目が合った。


「一ノ瀬、女バスの葉月が呼んでる」


葉月さんのもとへと向かう一ノ瀬くんを
ぼんやりと目で追っていると、

朝歌にポンと肩をたたかれた。


「羽衣、ぼーっとしてどうしたの?」


「ううん、なんでもないっ。
ちょっと飲み物、買ってくるね」