隣のキミをもっと溺愛、したい。

じっと葉月を見つめると
葉月が顔をひきつらせる。


「それは、
あの子じゃなきゃ、ダメってこと?」


「葉月が、テニスでも陸上でもなく、
バスケを選んだのと同じだよ。

俺にとっては、
天野じゃなきゃ意味がない」


「へー、なんだか意外」


肩をすくめて葉月が笑う。


「あの子のこと、ホントに好きなんだね」


「好きだよ」


迷わずに答えると、葉月が目を見開く。


こうして、離れていると
天野に対する気持ちがどんどん強くなる。

天野が恋しくてたまらなくなる。


でも、俺の気持ちは、天野を危険にさらす。


「じゃ、せめて、次期キャプテンとして、
一ノ瀬のちからになるからさ。

なんか、困ったことがあったら声かけて。
男バスに揉められると、
こっちも迷惑だから」


明るい表情でからりと笑った葉月に

「いろいろと、悪かったな」

と、謝ったものの、

その時にはもう天野のことしか
考えられなくなっていた。


体育館から葉月が出ていくと、
深く息を吸い、

力任せにボールを壁にぶつけた。