隣のキミをもっと溺愛、したい。

【一ノ瀬side】


ごめんな、天野。

どれだけ謝っても足りない。


目を伏せた天野は自信を失っていて、
いつもの明るさが影を潜めている。


ずっと天野の笑った顔を見ていない。


鷹島がいう通り、

天野のために
俺は天野から離れていたほうがいい。


ちいさな体をますます小さくさせて
自信をなくしている天野を

このまま抱きしめてしまいたくなる。


けれど、天野の額の横にある、
まだ生々しい傷跡を見るたびに思う。


俺には
天野に触れる資格なんてない。


「力になれなくて、ごめんな、天野」


天野の返事を待たずに
教室をでた。



昇降口をぬけると
暗闇の降りたグラウンドが視界に入る。

人影ひとつないその光景。


そうだ、
今日は早下校の日だった。


校舎にも校庭にも人の姿は見えず
ガランとしている。


校門に向かい、
ためらい悩んで、昇降口に戻った。


下駄箱から少し離れたところで
待っていると、

靴に履き替えた天野がやってくる。



天野が校門を抜けると、

少し距離をとって
その後ろを黙って歩いた。