隣のキミをもっと溺愛、したい。

「怖かったり、痛かったりすると
自分を守るために
本能的にその時の記憶を
忘れようとするらしいぞ。

きっと、すごく怖い思いをしたんだろ。
しばらく、おとなしくしとけよ?」


「うん」


礼くんの部屋から自分の家にもどりながら
もう一度、あの日の記憶をたどってみる。

けれど、
記憶をたぐり寄せようとするたびに、

頭の奥がズキンと痛む。

私はどうして
あのお祭りに行こうと思ったんだろう?


それに、
一ノ瀬くんの言っていた「約束」って
なんのことだろう。


お見舞いに来てくれた時の
一ノ瀬くんの様子はなんだか、
おかしかった。


いつも、ぼんやりしていることの多い
一ノ瀬くんだけど、

あの日の一ノ瀬くんは、
なにかが違っていた。


なにより、一ノ瀬くんと一緒にいると
苦しくなったり切なくなったり。

心が忙しい。