隣のキミをもっと溺愛、したい。

マンションにもどると、
すぐに礼くんの家に向かい、
インターホンをならした。


ドアを開けた礼くんが、目を見開く。


「珍しいな、羽衣がここに来るなんて。

どうした、なにかあったか?
きついなら学校、無理して通うなよ。

まだ、頭は痛むか?」


ゆっくりと首を横に振ると、
礼くんに尋ねる。


「あのね、
礼くんに聞きたいことがあるの。

私、お祭りに行く前にも、
だれかと神社に行った気がするの。

私、礼くんにその話した?」


すると、礼くんが一瞬、なにかを考えるように
視線を動かして、

おどけたように肩をすくめる。


「さあ? 聞いてないよ。
友達と行ったんじゃないか。

学校でいつも一緒にいるメンバーとか」


「そう、なのかな」


すると、
礼くんが戸惑う私をじっと見つめる。


「羽衣、今は余計なことなんて考えずに
ケガを治すことだけ考えろよ。

リラも本当に心配してるんだよ。

普通に生活できてるなら、
慌てて思い出す必要もないだろ。

とにかく、
羽衣が元気になって
みんな本当にほっとしてる。

もし忘れてることがあるとしても、
大切なことならきっと思い出すよ」


「そうだよね……」


穏やかに笑う礼くんに
小さくうなづくいたけれど
 

無理して思い出す必要は、
ないと、思えば思うほど


胸の奥が苦しくてたまらなくなる。