「ホント、頑張って
この学校入ってよかったよ」
 

朝歌と叶奈ちゃんが手を合わせて、
なぜか噴水に感謝している。


「ほんと、
選びたい放題だよねっ」


「向こうがな」


「ホント、それ」


ふたりの話を聞きながら、
今度はゆで卵をパクリ。


「アイドル系の鷹島先輩に、
無口な一ノ瀬くんかあ。
どっちもいいよねっ」


「爽やかな伊集院くんも
捨てがたいし、
層が厚くて、なんて、幸せ!」


「誰がいいかなあ、ホント悩むよねっ」


「まあ、悩んだところで
選ばれることは絶対ないけど」


「でも、悩むのは自由だしっ!」


盛り上がるふたりの話を
黙って聞いていると、

サンドイッチを食べながら、
朝歌が続ける。


「3年の先輩に聞いたら、
鷹島先輩の奪い合いが壮絶で、

大変みたいだよ」


鷹島先輩の
う、奪い合いが、壮絶…?

いやいや、まさか!

悪い想像をかき消すように、
頭をぶんぶんと横にふる。


「鷹島先輩、
すごく感じいいから、
期待しちゃうんだろうね」


「ホント、鷹島先輩の笑顔とか、
『可愛すぎて罪!』ってレベル!」


可愛すぎて……罪?