隣のキミをもっと溺愛、したい。

放課後の教室で、
部活帰りの一ノ瀬くんを待っていると、

陽が落ちて薄暗くなった頃に
一ノ瀬くんは教室に戻って来た。


部活後の一ノ瀬くんには、

きりりとした顔立ちに
少しの緊張感が漂っていて、

その凛とした表情に
ドキリと胸が飛び跳ねる。


「遅くなってごめんな」


「ううん、お疲れ様!」


すると、
一ノ瀬くんが満面の笑みを見せる。


「天野、こっち! ついてきて!」


柔らかく笑う一ノ瀬くんに
連れていかれたのは

校舎の端にある
非常階段の踊り場だった。


「いつもここで伊集院と昼飯、
食ってるんだ」


その踊り場からの景色に
目を丸くする。


校舎の隅にある
その非常階段の踊り場からは
佐助山の姿を遠くに眺めることができた。


外は薄暗くて、
今はその輪郭がぼんやりと
確認できるくらいだけど、

晴れてたら、きっともっと綺麗に
見えるんだろうな。