一ノ瀬くんは、
休み時間の終わりごろに
教室に戻ってきた。
一ノ瀬くんを強く意識しながらも、
一ノ瀬くんと目を合わせないように、
べつの方向へと視線をそらす。
もう、一ノ瀬くんの近くにいるだけで
ドキドキしてしまって、
目を合わせることなんて大それたこと、
とてもじゃないけど
出来そうにない。
「天野」
一ノ瀬くんに名前を呼ばれて、
ビクリと体を揺らし、
緊張しながら
隣の席の一ノ瀬くんに顔を向ける。
「は、はい」
恐る恐る一ノ瀬くんに顔を向けるけれど、
昨日、一ノ瀬くんと
手をつないだことを思い出してしまい、
恥ずかしくて
まともに顔を見ることなんてできない。
そ、そ、それどころか!
あ、あれは正式に
『抱きしめられていた』ような!
それに、
いつも教室では
眠たそうにしている一ノ瀬くんが、
今日は妙に生き生きとしていて、
いつもと違ってそれも少し怖い。
「う、うん?」
一ノ瀬くんと、
目を合わせないように
声だけで返事する。
「天野、アメ、ちょうだい」
「あ、うん!」
よかった、いつもの一ノ瀬くんだ。
穏やかに笑っている一ノ瀬くんに
ホッと胸をなでおろす。
「っす」
いつも通りの一ノ瀬くんとのやりとりに
安心していると
アメに手をのばした
一ノ瀬くんの大きな手のひらが、
ぎゅっと私の手を上から握った。
「い、一ノ瀬くんっ?」
「ん?」
「て、て、」
「誰も気づいてないから大丈夫」
「そ、そ、そうじゃなくて!」
「くく、天野、顔、赤い」
「そ、それは一ノ瀬くんが!」
「そうだよ、
だってワザとやってるし。
天野、覚悟しておけよ。
俺、オフェンスには自信があるんだ」
「お、お、お、オフェンス?」
無邪気な笑顔を浮かべる一ノ瀬くんを、
ドキドキしながら、見つめる。
「だから天野のディフェンスなんて、
簡単に壊せるよ」
このひとは、綺麗な顔に
とてつもなく甘い笑顔を浮かべて
なにを言ってるんだろう……
こんなの、
本当に心臓がもたないよっ。
キラキラと瞳を輝かせている
一ノ瀬くんをちらりと見て、
小さな声でつぶやく。
「い、一ノ瀬くん、
なんだか楽しそうだね」
「うん、すごく。
天野は楽しくない?」
「た、楽しいっていうか!」
ドキドキしすぎて、
もう、なにがなんだかわからないって
いうのが本音だよっ。
「天野、いろいろ覚悟しておけよ?」
「はい?」
「俺の本気はこんなもんじゃないから」
そんな無邪気な笑顔で
笑わないでください……
一ノ瀬くんの甘い笑顔に一撃されて
机に顔を伏せた。
休み時間の終わりごろに
教室に戻ってきた。
一ノ瀬くんを強く意識しながらも、
一ノ瀬くんと目を合わせないように、
べつの方向へと視線をそらす。
もう、一ノ瀬くんの近くにいるだけで
ドキドキしてしまって、
目を合わせることなんて大それたこと、
とてもじゃないけど
出来そうにない。
「天野」
一ノ瀬くんに名前を呼ばれて、
ビクリと体を揺らし、
緊張しながら
隣の席の一ノ瀬くんに顔を向ける。
「は、はい」
恐る恐る一ノ瀬くんに顔を向けるけれど、
昨日、一ノ瀬くんと
手をつないだことを思い出してしまい、
恥ずかしくて
まともに顔を見ることなんてできない。
そ、そ、それどころか!
あ、あれは正式に
『抱きしめられていた』ような!
それに、
いつも教室では
眠たそうにしている一ノ瀬くんが、
今日は妙に生き生きとしていて、
いつもと違ってそれも少し怖い。
「う、うん?」
一ノ瀬くんと、
目を合わせないように
声だけで返事する。
「天野、アメ、ちょうだい」
「あ、うん!」
よかった、いつもの一ノ瀬くんだ。
穏やかに笑っている一ノ瀬くんに
ホッと胸をなでおろす。
「っす」
いつも通りの一ノ瀬くんとのやりとりに
安心していると
アメに手をのばした
一ノ瀬くんの大きな手のひらが、
ぎゅっと私の手を上から握った。
「い、一ノ瀬くんっ?」
「ん?」
「て、て、」
「誰も気づいてないから大丈夫」
「そ、そ、そうじゃなくて!」
「くく、天野、顔、赤い」
「そ、それは一ノ瀬くんが!」
「そうだよ、
だってワザとやってるし。
天野、覚悟しておけよ。
俺、オフェンスには自信があるんだ」
「お、お、お、オフェンス?」
無邪気な笑顔を浮かべる一ノ瀬くんを、
ドキドキしながら、見つめる。
「だから天野のディフェンスなんて、
簡単に壊せるよ」
このひとは、綺麗な顔に
とてつもなく甘い笑顔を浮かべて
なにを言ってるんだろう……
こんなの、
本当に心臓がもたないよっ。
キラキラと瞳を輝かせている
一ノ瀬くんをちらりと見て、
小さな声でつぶやく。
「い、一ノ瀬くん、
なんだか楽しそうだね」
「うん、すごく。
天野は楽しくない?」
「た、楽しいっていうか!」
ドキドキしすぎて、
もう、なにがなんだかわからないって
いうのが本音だよっ。
「天野、いろいろ覚悟しておけよ?」
「はい?」
「俺の本気はこんなもんじゃないから」
そんな無邪気な笑顔で
笑わないでください……
一ノ瀬くんの甘い笑顔に一撃されて
机に顔を伏せた。



