「ちょ、ちょっと今日はこれから、
寄らなきゃいけないところがあって!」


なんだか緊張しすぎて
声が裏返る。


「ごめん、天野、用事があったんだ」


目を伏せた
一ノ瀬くんに、ぶんぶんと首を横にふる。


「今からでも間に合うから!」


笑って応えると、
一ノ瀬くんが柔らかく微笑む。


「じゃ、また今度。約束な」


また頭をなでられて
胸がキュンと苦しくなった。