一ノ瀬くんは
長い手足を最大限に生かして、

軽々とパスをカットしてシュートを決めると
ドリブルで体育館を俊敏に駆けまわる。

高いジャンプ、
ゴールを目指す真剣な眼差し、
凛としたその表情。

一ノ瀬くんがバスケをするその姿は
すごく美しくて、
感動的ですらあった。

シュート練習が終わると、
すぐに練習試合が始まった。


一ノ瀬くんがボールに触るたびに
大きな歓声が上がる。


シュートを次々と決めていく一ノ瀬くんから
目をはなさず、

その動きのひとつひとつを、
ノートに記録していく。


スリーポイントシュートが決まるたびに
一ノ瀬くんと目が合うような気がして、

心臓の鼓動がかけ足になる。


本当のところは

「ちゃんと記録してんだろうな」的な、
確認なんだと思うけれど!


そうそう!

MVPがかかってるんだもん、
ちゃんと記録しないとっ!