春色のラブレター




ようやく分かった。この手紙の意味が。



これは健ちゃんが私に宛てた手紙。







「かんなと優弥の下駄箱って前後だったでしょ。最後の最後で思いっきり間違えるとは思ってなかったわ」



靴を履き替えようとしたら、自然と目に入ってきた不自然なもの。



もし、あの時、健ちゃんの言葉に振り向いていたら。




健ちゃんの言葉を聞いてあげていたら。



「あのさ、さっき会場で変な空気になっていたのって……」




「そう、これがバレた。よかった。かんながあの場にいなくて」



ほっとしたように、そして少し苦しそうに俯くその顔に笑顔があった日はあったのかな。




私がそばにいて、ずっと苦しませてた?



健ちゃんは大事な友達で、

色んな悩みを聞いてくれて、



無神経に傷つけていたら?



「ごめん。本当にごめん」


「何で、健ちゃんが謝るの」


ごめんなんて……




私が言わなきゃいけない言葉なのに。