気分も落ち着き、瑠衣斗が淹れてくれた珈琲を飲みながら、泣きすぎて頭が痛くて眉をしかめていた。


今日は早く寝よう…。



何となく、瑠衣斗がご機嫌な事を不思議に思いながら、グズグズと鼻を鳴らした。



ソファーに、ブーブーと低い音が伝わり、携帯のバイブが響いているのが伝わり、瑠衣斗がジーンズのポケットから携帯を取り出した。



「…美春さまだ」



あ~…と言いながら携帯を眺める瑠衣斗を、無視してマグに顔を埋めた。


時計を見ると、間もなく9時を回る所で、みんな宗太の家に集合しているのだろう。


美春に怒られちゃえ!!



ソファーに座る瑠衣斗は、後頭部の髪をグシャグシャとかき混ぜると、通話ボタンを押して耳に押し当てた。


「…あい」



と出た瞬間、断末魔のように受話器から美春の声が私にまで届いてきた。


ビクッと肩を大きく揺らした瑠衣斗は、慌てて耳から携帯を遠ざけている。



『ちょっとおるぅちゃん!?何してんのよー!!どんなけ時間かかってんのー!!』