あなたの嘘の隠し方



彩未「毎月16日ってカレーの日じゃん?」


母「そうだね
お母さんとお父さんも大好きだから待ち遠しいのよねー」


「その日は晩ご飯作らなくて楽だしね」と笑いながら言葉を続ける母



彩未「それでさ、思ったんだけど
なんで毎月カレー作ってるのかな」


母「それはー」


と言った所で母は難しそうな顔をした



母「…なんでだろうね?」


彩未「知らないのかー…」


もしかしたらと期待して聞いた質問に、納得できる返答が無く彩未は明らかに残念そうにした



母「でもなんで今更気になったの?」



確かにそうだ
本当に今更な気がする

だがあまりに近すぎて見落とす物もこの世にはたくさんある



彩未「いやなんとなくだけどさ!
なんか今日ふと…」


食事中に気になったこと、
気になったが聞けなかったことを淡々と説明する



母「なるほどねぇ…
…でも実は、お母さんも気になったことあって、
聞いたことあるのよね」


彩未「えっ!?」



それでどうなったのかと答えをせがむが、
母は負に落ちないと言うような顔で



母「"大好きだからよ"って、言われたのよね」


予想もしていなかった答えに彩未は一瞬固まってしまう



彩未「大好きだから…?
いやまぁ、答えとしては間違ってないんだろうけど…」


先程していた母の負に落ちないという表現に納得してしまう