「"おばあちゃん"は
結婚したいって思わなかったの？」


私が "おばあちゃん" と呼ぶその人は
私の本当のおばあちゃんの妹、つまり大叔母だ。

私が産まれる少し前に亡くなった
本当のおばあちゃんの代わりに、
幼い頃から面倒を見てくれている優しい
"おばあちゃん"

多忙な両親も安心して私を預けていた。


私は今年18歳
高校生活もあと一年と迫っている中、
恋愛への興味も湧いてくる。

結婚をしていない独り身のおばあちゃんが
いつも身につけている左手薬指の傷だらけの指輪

少し微笑みながら
指輪を撫でようと伸ばす手を途中で止めて、

"おばあちゃん"は昔話をしてくれたのでした。