あなたの嘘の隠し方



彩未「ごちそうさまでした」

おば「ご馳走様でした」



大皿に盛られたカレーは育ち盛りとはいえかなりの量で、彩未は制服のスカートを緩めた


彩未「はぁー、お腹いっぱいだよー」


おば「たくさん食べてくれて嬉しいよ
あやちゃんはすごく美味しそうに食べてくれるから作り甲斐があるね」


彩未「だってほんっとに美味しいもん!
さすが定食屋さんって感じ!
お客さんもきっと喜んでるよ
お店開いてからすごく長いんでしょ?」



おばあちゃんは定食屋さんを開いている


おば「そうだねぇ、長いね」



9時から14時まで
定休日は週2日


今年で70歳になるおばあちゃん


私の両親は店の経営を続けるおばあちゃんを心配して、
「生活の面倒は見るし、店を畳んでゆっくりしたらどうか」と提案したらしいが


「まだまだ大丈夫。
迷惑はかけないようにするし、
自分のペースでやるから」


両親もそれを言われてしまえば
好きなことをさせてあげたいと思うものだ


元は私の本当のおばあちゃんと姉妹で居酒屋を経営していたらしいが、祖母が亡くなった後に定食屋に変えたらしい


常連客に愛される、小さな定食屋だ



せっせとテーブルから使用済みの食器を重ね集めながら手際良く片付けていく


彩未「あ、私食器洗うよ」


おば「いつもありがとうね」


食べ終わった食器を彩未が洗い、
隣でおばあちゃんが拭いていく


いつもの流れだ