おば「そんな顔しないの。可愛い顔が台無しよ」


クスクスと笑いながら
ご飯にしようね、と彩未の前に大皿が出される


彩未「あ、そっか!今日カレーの日だ!!」


目の前には少し大振りの具材がゴロゴロと入ったカレー

部屋中にスパイシーで深みのある香りが立ち込めていた


よだれが垂れていたのはこのせいだったのかと
彩未は一人納得していた


彩未「いただきまーす!」

おば「はい、頂きます」


キラキラと目を輝かせながら、スプーンにこれでもかとお米とルーを乗せて口に運ぶ


彩未「あつっ…ん〜〜!美味しいぃぃ…」


さっきまでプリント用紙を睨んでいた顔とは打って変わり、だらし無い笑顔で幸せに包まれる


おば「んふふ。すっかり機嫌良くなっちゃって
子供みたいね、あやちゃんは」


彩未よりも少なめに盛られたカレーを
おばあちゃんはフーフーとゆっくり冷ましながら、彩未の表情を楽しんでいた


彩未「子供じゃないですー!もう高校3年生なんだよ?ちょっとは大人寄りになってるでしょ?」


おば「大人は大事な用紙によだれを垂らしたり、ご飯粒をほっぺに付けながら食べません」


自慢げに言った彩未の言葉は
おばあちゃんの正論で綺麗に片付けられてしまった