母「おばあちゃん、あの歳まで独り身でしょう?
結婚は一度もした事ないって言うのは聞いてたし、子供ももちろんいないし…」
普段おばあちゃんの話を深く話したことが無いからか、母から話されるおばあちゃんの話が絵本を読み聞かせしてもらっているような感覚になる
母「お父さんのお義母さん、つまり彩未のおばあちゃんね。
彩未が産まれる少し前に亡くなってしまったから、他に話を聞ける人がいないのよね」
赤信号から青に変わり、左折をして車を走らせる
見慣れた家の近くの景色が広がってきた
母「…彩未聞いてみたら?」
少しの沈黙に終わりが来たと思ったが、その意味を理解出来ずまた少しの沈黙が訪れた
彩未「…は?」
母「だって気になるんでしょ?」
当たり前の事を当たり前に言っているのだが
彩未「は!?聞くって…おばあちゃんに!?」
母「おばあちゃん以外誰がいるのよー」
余程彩未の声がうるさかったのか、母は左耳を片手で押さえていた
母「私がカレーの事を聞いたときは深く教えてはくれなかったけど、もしかしたら教えてくれるかもよ?」
彩未「…お母さんが聞いて教えてくれないのに私に教えてくれるのかな…」
母「それはほら!
その時の気分とかもあるかもしれないし」
家に着いき、手際よく車庫入れをした
エンジンを止めて荷物を持ち家に入って行く
