あなたの嘘の隠し方



好きな物だから毎月作る、なんてのは
確かにあり得る話で

でも日にちまで決めて、
それもあまり食べないのに


解決するはずだった疑問にさらに?がプラスされ、彩未はテスト勉強よりも頭を悩ませた



母「お母さんもね、本当にそうなのかなって思ってたのよ。
でもきっと違うのよね
“大好き"なんだろうけど、ちょっと違うというか…」


母も複雑な思考を言葉にするのは難しいようだった



母「…なんとなくだけど、関係してるのかなって」


彩未「?」


何を言っているのか分からず、真っ直ぐ目の前を見つめて運転する母の横を無言で見た



母「おばあちゃんの指輪、わかる?」


彩未「あ、…」



食事中、もう一つ浮かんだ疑問


おばあちゃんが身につけている左手薬指の指輪


ファッションで身に付けることもあるだろう
でもおばあちゃんはその指輪以外、
ネックレスやブレスレットなどのアクセサリーを
身に付けている所を見たことが無い



彩未「お母さんは指輪の事、
おばあちゃんに聞いたことあるの?」


母「それが、無いのよね」



小さな交差点で赤信号になる
左折するために付けたウィンカーの音が妙に大きく聞こえた