佐伯くんに騙された私はパニックだ。 お、男の人に触られている……! いや、最初に肩を叩いたのは私だけど! でも、怖いよぉ……。 訳が分からなくなってきて、ついに泣いてしまった。 「うっ、うぅ……」 この歳になっても、こんなんじゃ恥ずかしいと思う。 「わぁっ! 葉山ちゃん、ごめんっ!」 佐伯くんは悪くないのに。 ただ、私の手を握っただけなのに。 謝らせてしまっている。 「さえき、く……んっ。ごめっ」