「……好き」 聞こえるか聞こえないかくらいの、小さな声。 「え?」 やっぱり聞こえていなかったみたい。 「好き、です……」 胸に顔をうずめたまま、『好き』と言う私。 一条くんの表情は分からないけれど。 私を強く抱きしめてくれる腕から、私の気持ちが届いたんだ、と、分かった。 「好き、」 秘めていた想いを言葉にすると、止まらなくなった。 「一条くんが好き」 なんども『好き』と言う私に、一条くんは、 「うるさい……」 なんて、キスするから、私は口を閉じた。