「葉山さん……。聞いて」
「やだっ」
一条くんが軽くため息を吐く。
「あのね、」
「やだっ!」
「……俺。ずっと、葉山さんが好きだった」
耳元で囁かれる言葉。
「今も、すごい好き」
抱えていた紙袋を握り締める。
くしゃっ、と、紙袋がつぶれた音がする。
「顔、上げてよ」
それでも上げない私の顔を持ち上げる一条くん。
その目はまっすぐ私を捉えていて。
「葉山さんのことが、好き」
揺らぐことなく私を見つめる。
「1年生のときから、ずっと好き」
「う、そ……」
「本当だよ」
一条くんのまなざしから、熱が伝わる。
気持ちが、伝わってくる。



