「俺に、手伝って、って言いたかったんじゃない?」
……。
葵の考えたことが、ようやく分かった。
一条くんも含めて4人になれば、二手に分かれて配ることが出来る。
それと、多分……。
私はちらりと、一条くんの横顔を見つめた。
私の気持ちを知っているから、わざと2人は、私と一条くんを一緒にしてれたんだろう。
『一緒に文化祭楽しんできてね』
2人が応援してくれるのを感じた。
「一条くん……。一緒に配ってくれますか?」
「うん。行こ?」
一条くんが隣を歩いてくれる。
それだけで幸せな気分になった。
すれ違う人にチラシを配る私たち。
時折、女の子の『かっこいい!』の叫び声が聞こえる。
今、気付いたけど、一条くんも燕尾服を着たままだったんだね。
メイドと執事が歩いている……。
異様な光景だよね。



