恐怖症、克服しますっ!



清水さんに鏡を渡す。

鏡をのぞいた清水さんは、驚いた表情をしていた。


葵のメイクの腕にびっくりしたのだろう。

クマもきれいに隠れている。



「メイクは以上っ!」

「清水さん、衣装、ありがとね」

「嬉しかったよ!」



私たちは、早速メイド服に着替えようと更衣室へ向かおうとする。

その足は、清水さんによって止められた。



「あのっ、葉山さん!」



清水さんの呼ぶ声に私は振り返る。



「今まで……。ごめんなさい」



そう謝る清水さんの姿から、この言葉は本心なんだろうな、って思う。



「それと、ありがとう……」



なんだか、清水さんが近くに感じる。


物理的じゃなくて、心が少し近づいた、というか。