「私とダンス、踊らない?」
2回言わなくてもちゃんと聞こえていましたよ。
本当に天然なのね……。
それより。
私の返事を、キラキラした目で待つ七瀬さん。
七瀬さんが求めている返事は「YES」だろう。
だけど、私は。
ここで「YES」と言ってしまったら、このクラスで更に注目を浴びることになるだろう。
七瀬さんがダンス動画を大音量で流し始めたときから、クラスメイトは私たちに、ずっと視線を向けていた。
顔を机に突っ伏していても、視線だけは感じていた。
時々、聞き取れないくらいの小さな話し声も聞こえていて。
何を話しているのかも分からなくて、私は恥ずかしさと怖さでいっぱいだった。



