「そろそろ生徒たちが登校してくる時間だね」
合図なしに、誰からともなく椅子から立ち上がる。
チラシを3人で分けて。
抱きかかえて。
教室を出る。
昇降口の前に着くと、それぞれ深呼吸をする。
なんだかんだ言いつつ、みんな緊張しているんだな。
その気持ちが一緒だ、と思うと嬉しくなる。
「じゃぁ、配り始めようか」
「うん!」
私たちは、昇降口に向かって歩いてくる生徒にチラシを配る。
緊張で手が震えるけど。
「文化祭2日目のステージで踊ります! 見に来てください!」
誰よりも大きい声を出す葵。
そんな葵の姿に、私はなんだか泣きそうになった。
一生懸命さが伝わる。



