「可愛いとか、誰にでも言っちゃダメだよー」 え。 なにヤキモチ? と、佐伯くんがからかってくる。 「そうじゃなくて。中には傷つく人だっているかもよ?」 佐伯くんは笑うのをやめた。 その表情は真剣そのもので。 佐伯くんの手が、私の頬に触れる。 「ねー。美桜ちゃん」 ひとつため息を吐いたと思ったら、佐伯くんの顔が目の前にある。 ち、近いっ! 声に出そうとしても、声にならない言葉。