「さっきの。父親のことで、どうしていいのか分からなくて」
美桜ちゃんに無性に会いたくなった。
そう言う佐伯くんに私は、顔を赤くする。
会いたいと思って会いにきてくれるのは嬉しいけど。
なんで、そういう言葉をさらりと言うのかなぁ。
しかも、ここ教室だし。
恥ずかしくなってくる。
「でも、もう大丈夫! 元気になったし!」
「……ほんと?」
「うん! 美桜ちゃんの愛を沢山貰ったので!」
なんとも言い返しづらい言葉に、黙ってしまう私。
そんな私を見て、笑う佐伯くん。
「美桜ちゃん、可愛いーっ」
「そんなことないから」
佐伯くんの言葉に思わず反論してしまう。



