「って……。どうしていいのか分からなくなった自分がいた」 佐伯くんは頭を抱えてため息をつく。 「俺の気持ちは、美桜ちゃんを傷つけるだけなのかな……」 っ……。 そんなことない。 って言いたかった。 だけど、今日、私が佐伯くんに「一緒に帰ろう」と言ったのは。 私と少し距離を置いて欲しい、と伝えるためだった。 私が返事に困っていると、佐伯くんは言葉を続けた。