「佐伯くん」


私の机に頬杖をついて、ニコニコしている佐伯くん。

キラキラした目で私を見てくる。



「あの、放課後……。空いてる?」

「えっ、デートっ!? 美桜ちゃんからデートの誘い!?」


違うから。

と、私は慌てて訂正。




「話があるから、一緒に帰りたい」


笑顔を浮かべない私に、何かを察したのか、佐伯くんは「分かった」と頷いた。