一条くんの言葉に何も言えない清水さんに、佐伯くんがトドメをさす。



「最低だな」



その言葉は先ほどと違って、凍るような冷たい声だった。

守ってもらっているのに、私まで凍ってしまいそうだ。



「葉山さん、教室から出ようか」


一条くんは、私を抱きしめ続けている佐伯くんから引き離して、私の手を握って教室から出て行く。


その後ろから、佐伯くんが来てくれるのが分かる。