「私は、ダンス……出来ない。リズム感ないし」


でもね、と言葉を続ける。


「もし、2人がダンスを教えてくれるなら、私もステージに立ちたい、って思う」


3人で、一生懸命になりたい。

と、言った葵の瞳は、輝いていた。



「どうする? あとは、美桜だけだよ」



臆病な私。

自信のない私。

勇気のない私。



そんな私に、打ち勝ちたい私。



「思い出……、最高の思い出を作るってさ。完璧に踊ることじゃないと思うの」


「うん、私もそう思う。……3人で、最後に、やりきったね、って言えることが最高の思い出だと思う」