「今年は、美桜がいる。葵もいる」


今年は……。


「だから、最高の文化祭にしたい」


千夏の気持ちは真っ直ぐだった。

ダンスをやりたい、というのも本気だろう。



それ以上に、文化祭で最高の思い出を作りたい。



その気持ちは、私も一緒だった。


最高の思い出は作りたい。

だけど、私なんかがステージに立てるだろうか。



「美桜。自分の可能性は自分で信じなきゃダメだよ」



葵の突然の言葉。


きっと、葵は分かっているんだ。


私が自分を卑屈的に見ていること。



だけど、やりたい気持ちも、なくはないこと。