教室より、少しひんやりした廊下。 廊下には、生徒がほとんどいなくて安心する。 少しずつだけど落ち着いてきた。 呼吸も整いだす。 葵を見ると……少しイライラした様子だった。 「葵……?」 「ん?」 「さっき、なんで、あんな言葉を……」 「ああ、一条くんに?」 葵は、腕を組んだまま、廊下の壁に寄りかかる。 葵の口から出た言葉は意外なものだった。