「美桜ちゃん」 小さかった頃の佐伯くんは、私のこと『美桜ちゃん』って呼んでいてくれていたっけ。 懐かしいな。 なんだか、くすぐったくなって、思わず笑ってしまった。 すると、佐伯くんはすくっと立ち上がって、私たちを見守ってくれていた一条くんに方向転換。 そして叫んだ。 「一条っ! お前に美桜ちゃんは渡さないから! 覚悟しろっ!」 急に振られた一条くんは、その言葉にムッとした表情で、 「俺だって、佐伯に渡す気はないよ」 と、言った。