「痛ッ!...くっ....」
「外里様ー。村長への暴力行為は遠慮願いますー。」
「やめないかバカもーん。折角お越しくださってるのに乱暴はダメだー。この状況に混乱しているだけ、さっさと離しなさーい。」
八尾島がそう言うと、門番はパッと手を離した。守が掴まれた所はくっきりと赤い手形がついていて、離されても尚痛みが続き、片手で抑えていた。
だが心は折れていないのか、守は更に鋭い目付きで八尾島を睨んだ。
すると、八尾島はいきなり地面に膝をつけて深々と土下座をした。
いきなりのことで流石に面を食らった私達は口を開けながらそれを見ていた。
「数々の無礼をお許し下さいー。恐らくですが、あなた達は我々が不気味に思っていると思いますー。ですが、それは勘弁して下さいー。この喋り方と仮面は我々の特徴であり印、切っても切れない縁のようなものなんですー。
それ以外だったら何なりと言ってください、全力で治します。我々はこの村をいい村だと思って欲しいだけなんですー。」
誠意があるのかどうかも分からない八尾島の行動、心を汲んであげたいが棒読みの酷さとこの奇妙な出来事に私達は何も言えなかった。


