まるで見えないゴムの壁のような感覚だった。
「この壁は村を囲うようにあります。ですがこの壁、物体は通します。防がれるのは生物だけなんですよー。私達も色々と試行錯誤してみたんですがどうしても出れなくてですねー。」
「...嘘をつくな。一体何の目的で俺達を捕らえる!?何を考えてるんだ!」
八尾島や村の住人に攻撃的な発言を控えていた守も限界が来たのか、八尾島を睨みつけ怒鳴った。
それに対して八尾島は何のリアクションも見られず、微動だもせずに守を見詰めている。
「安心してくださいー。その壁は四日後には消えますー。誰かがこの村に訪れた時、四日間だけこの壁が出現し、四日後には消えるんですよー。」
「....ふざけんのもいい加減にしろ!どんな都合のいい壁だ!嘘も休み休み言えよ!!」
守は八尾島の胸ぐらを強く掴み、今すぐにでも殴りかかってしまう感じだった。なのにも関わらず八尾島は何も抵抗をしなかった。感情が消えてしまったような感じで私は心底震えた。
すると、石階段の下にいた門番の一人がいつの間にか八尾島と守の側に立っており、八尾島を掴んでいる守の腕を掴んだ。
凄い力が篭っているのが見ているだけで分かった。案の定、守は顔を歪ませながら八尾島から手を離した。


