具体的な理由が言われていなく、不気味で私達は動けなかったが、少しして守が一歩踏み出した。
「ま、守!危険だよ!」
私がそう声をかけると、守はニコッと微笑んだ。
「どうせ行く勇気ないくせに何言ってんだよ。大丈夫だ、何かあったら速攻逃げるだけだし。」
守は門の目の前に立ち、大きく深呼吸をした。そして覚悟が決まったのか、守は門の中へと飛び込んだ。
その筈だったが、守は逆に後ろに倒れて尻餅をついた。まるで何かにぶつかってしまったように、守は頭を手で抑えながら困惑していた。
「は?んだよこれ...」
守はもう一度立ち上がると、ゆっくりと門へ近付いた。だがある地点に行くと守の足は止まり、宙で手のひらで何かに触れていた。
「守?....どうした?」
鉄平が心配になって恐る恐る声をかけると、守は何とも言えないような顔をこちらへ向けた。
「いや...なんかここに透明の壁が....」
「は?何言って...なんだこれ...」
鉄平もその場所へいって守と同様のリアクションを取っていた。
気になった私と莉音もその壁がある場所に手を出してみた。
初めて触れて私も驚愕する。ある程度は進めるが、ある地点まで行くと跳ね返されたのだった。


