莉音は私とは違って心霊現象が起きた時、怖がっているが同時に楽しめるタイプだった。だから、こんなに震える恐怖一色に染まってしまった莉音は初めて見た。
守は莉音と同じ位置まで腰を下ろし、莉音をじっと見つめながら震える手を優しく覆いかぶせる。
「莉音、怖いのは分かる。俺だって怖い。だけど、ここで欲しいのは何より情報。理由を教えてくれるってだけで、何か俺達が酷いことをされることはないと思う。
もしされそうになった時は村の外まで逃げる、俺と鉄平が責任持って守る。だから勇気を出すんだ。」
「...うぅぅ....守ぅ...」
莉音は泣きそうな顔になりながら守に抱き着いた。守は少し顔を赤らめながら、似合わずに莉音の背中を優しく撫ででいた。
こう見れば普通にカップルなんだけどな...守だって満更じゃない顔してるから、莉音が嫌いって訳じゃないんだろうけど....なんでだろ...
「皆様方ー、出来ればお早めにお願いしますー。あまり遅くなられると、料理が冷めてしまいますのでー。」
「ちっ...俺達がこの村へ滞在するのが決まっているような言い方でムカつくが仕方がない...どんな理由だろうと隙を見てこの村から出る。よし、莉音立てるか?行くぞ。」


