山窩村


「いや...でも....それじゃあ伝えるのが遅れるし...」


莉音がモジモジしていると、八尾島は部屋の中に入ってきて、莉音の目の前まで寄り詰めた。
莉音は小さい悲鳴を出しながら後退しようとするが、後ろはすぐに壁で八尾島がどんどんと迫っていく。
それと同時に守は急いで莉音の前に立って莉音を守る形をとった。そして鉄平は私と八尾島を挟む所で立ち止まり、どっちにも対応できるように準備していた。

八尾島は守と身体が当たってしまうギリギリの所で止まり、守の後ろでガダガダ震えている莉音をじっと見つめた。


「...人を信用するのは難しいことです。世には裏切りというものもありますからそれは仕方がないことです。ですが、信頼してみなきゃいい関係を築けませんよー?
これから四日間、この村にいることになるのでいい関係を作りましょうねー。」


「は?四日間?何言ってるんだ...俺達は今すぐ帰らないといけないんだ!」


「いいえー、あなた達の意思関わらず四日間はいる事になりますよー。その理由をお教えしますー。こちらへお越しくださいー。」


守の言葉を軽く受け流した八尾島は二人の側を離れると、部屋の外へ出ていき、手で私達に部屋を出るよう指示した。


「...どうする守....行くか?」


「行くしかねぇだろ...理由があるんならそれを確認しねぇと...」