水に濡れて束をつくった栗色の髪は余計にくるくるとカールしている。
ぽたん、と制服から滴る雫。
「派手だな……」
水のかかりかた。
どんだけ運悪いんだよ。
「え、派手?きゃぁ!変態!」
――バシーン。
俺の頬に手形をつけていそうなほど見事なクリーンヒットのビンタ。
「いったぁ……なんで殴んの」
頬を抑えながら半ギレで顔を上げた瞬間。
目に留まったのは、制服のブラウスから透けた黒い下着と肌色のコントラスト。
手で隠してるつもりなのか、なんなのか。がっつり見えてる。
胸の真ん中でクロスして編み上げるリボンとか。
なんでそういうデザインばっか選ぶの?
「……えろ」
「も、もう!朱里くんあっちいってぇー!」
もう一発ひっぱたかれそうになったのをかわして部屋に戻った。