「朱里くんはあたしがいない間、実家に戻る?」


「なんでだよ。いちいち戻んねーよ」


「でもひとりでいるの寂しいなら家族と居た方が……」


「別に俺一人は好きなの。でも寂しい。さて、どうしてでしょうか?」



ローテーブルに片肘をついて、あたしに挑戦の笑みを向けている。



「えーっと、あたしがいなくて寂しいの?」


「……え?すげぇ。成長したじゃん」


「正解?」


「せーかい。家族より、家族んなってほしいもん」



……家族に、ねぇ。



見てよ。朱里くんがあたしに求めるのはこんなに家族愛なんだよ……。


あたしは、恋人のほうの”好き”なのにな。