翌日の学校。



「恋々の昨日のインフタまじで笑ったんだけど」



紙パックジュースを片手にふうちゃんがあたしの席の前に座った。



今は中休み。



「インフタ? あぁー、昨日作った料理の写真あげたっけ」



「あんなの家族に文句いわれただろ?」



「え?ううん、言われないよ。完食してくれたし、おいしいって褒められた」


ふふ。家族っていうか朱里くんだけど。



「え?恋々の家族寛大だな。愛されてんねー」



関心するようにうなずくふうちゃん。



「愛されてはないけどね」



愛されては。だって、朱里くんだし。



「何言ってんだよ。あの献立を褒めるなんて愛なしに無理だろ」


「えー?」



「だって、まずコンポタに肉じゃがってのがナシじゃん。それで肉じゃがに白飯欲しいところに天津飯。さらに卵に追い卵。俺ならキレるね」



「言われてみれば……もしかして献立の組み方良くなかったかな?」



「あれ素でやってたの?お前天才じゃん」



笑いながらバシンと肩を叩かれてちょっとよろける。


ずいぶんひどい言われ方じゃない?



「愛されてる証拠だろ」



なでなで。その手は全然いらないんだけど……。