離れないで。

「ソファー、座って待ってて。」

「えっ?二ノ宮さんは?」

「晩御飯を作るけれど、どうして?」

どうして、そんなに不安そうな顔をしているの…?

「あ、いや…。な、なんでもないよ」

こんな安藤初めて…。学校ではあんなに冷静で堂々としてるのに。

「……。あ、そうだ。安藤くん、お料理できる…?」

「うん、少しなら」

「なら、一緒に作らない?こっち来て」

なんか、1人にするのはダメな気がする。
すごく不安そうにして、気のせいかもしれないけれど、手が少し震えていた。

「ごめんね、ありがとう…」

「いいえ、チャーハン作るんだけど ────」

゚+o。◈。o+゚+o。◈。o+゚+o。◈。o+゚+o。◈。o+

「よし、完成。手伝ってくれてありがとう、安藤くん」

「ううん、こちらこそ。」

「いいえ、大丈夫だよ。食べよっか」

「うん」

安藤って、なんでも出来るんだろうな…
ネギすごく綺麗…。私ほとんど何もしなかったし。、

「「いただきます」」

うん。レシピ通りだから普通に美味しい。寝る時どうしよ…。ベッド1つしかないし…。一応、蓮実も泊まるからダブルベッドなんだけど……。安藤だから大丈夫だと思うけど一応ね…。
安藤にベッドで寝てもらって私らソファーで寝よう。

「ねぇ、二ノ宮さん」

「なーに?」

「二ノ宮さんの両親って亡くなってるの…?」

「っ、そ、うだよ。3年前に交通事故で亡くしたの。」

きっと、キッチンの横の部屋の中が見えたんだろうな。

「ごめんね、俺なんか泊まって…」

「別に、大丈夫だよ~!それよりご飯美味しい?」

あまりこの話はしたくない。泣きそうになってしまうから。

「うん、美味しい。俺、初めてなんだ。人にご飯作ってもらうのも一緒に作るのも。だから嬉しい。ありがとう」

「…?そっか、いいえ。ご飯くらい大丈夫よ、」

安藤がこんなに弱いなんて…意外だわ…
いつも堂々としてる裏にこんな一面があるとは…。、

「ごちそうさまでした。私先にお風呂入るね。安藤くんの着替えお父さんのでもいい?」

「うん、ありがとう」

「いいえ、食べたら下げといてね。後で洗うから」

いつもは長風呂だけど。今日はそうもいかない。なるべく早く上がらなければ。
洗濯…どうしよ。安藤のと一緒でいっか。気にしない、気にしない。

(ガラッ)

やっと1人でゆっくりできる…。
プライベートな空間に気の許さないさ人間がいるのはすがに疲れるわね…。表を保たなきゃいけない。もし、明日も泊まらせてくれなんて言われたら…。
明日は"あそこ"に行かなきゃいけないのに。ま、わかんないけど、早く上がろ。

゚+o。◈。o+゚+o。◈。o+゚+o。◈。o+゚+o。◈。o+

(ガチャ)
「上がったよ〜」

「あっ…。うん、ありがと。制服どうすればいい?」

「あー…。ワイシャツとズボンと下着は洗濯機に入れといて?」

「わかった。じゃあ、お風呂かります…」

「うん。」

律儀ね、いちいちお礼言うなんて。
安藤が上がるまでに。洗濯しよ。
。そろそろ入ったかな

     (ガチャ)
      (コンコンっ)

『はい』

「ここで、洗濯してるね。たあと歯ブラ出しとく」

『うん、ありがとう』

よし、やろ。と私のブラウ等もいれて…。洗剤……私のと同じでもいいよね…

      (ピッ)

「よし。」

あとは、歯ブラシ。青いのがいいかな。私、黄色だし違う色。

「あ、コップ…。」

確か蓮実が来たように紙コップあったはず…

       (ガチャ)

どこしまったかな〜…。

「あ、あった。」

よし、コップか準備すれ完璧!

       (ガチャ)

「「あっ」」

嘘……早く出なきゃ!

「あ、ご、ごめんね!コップ!ここに置いて、っ!?」

何……この痣の数………。

「っ、あ……み、見た…?ごめんね、気持ち悪いよね。すぐ出ていく」

気持ち悪い…?気持ち悪いですって?
ううん、そんなこと思わないわ。
だって私も…。