「ねぇ、二ノ宮さんだよね」

いつもは話さない。クラスのムードメーカー。

「どうしたの?安藤くん。帰り道?」

「うん。あの…。お願い、泊まらせて?追い出されちゃった」

「え…?」

耳を疑った。どうして私なのか、これは断った方がいい?でも、承諾したらイメージアップか……。

「だめ…かな?」

断るのはやめた。けど、秘密がバレる。どう黙らせようかな。

「いいよ、家すぐそこだから。少し歩くよ」

人を泊めるのは、親友の賀野 蓮実カノ ハスミ(ルビ) 以外で初めてだ。

家に着くまで安藤のことを観察していた。私は他の人には言っていないが一人暮らし。両親は3年前に交通事故で亡くした。もちろん、蓮実は知ってる。

「ついたよ。あがって」

「…。アパートなの?」

「うん。」

安藤なら言ってもいいか

「私実は一人暮らしなの」

内緒ねと少し笑って。よし完璧。少し儚い少女の出来上がり?

「そうなんだ…」

ほら、少し申し訳ない顔をする。

(ガチャ)

「どうぞ。」

「お邪魔します」

泊まりなんだよね…。服はお父さんのでいっか…。嫌かな…


「必要最低限の物しかないんだね。」

「うん。あまり物があってもね…」

うっ、気まづい……( ˙-˙ ; ) まず、家に男の人を止めること自体初めてだからそれもあるけど…。空気が少し重い……