その後、私はラナと一緒に一足早くサロンで招待客が来るのを待っていた。
お母様が全員集めてからこちらに来るらしい。



「皇女様、そんなに動き回るとせっかくのドレスが皺になってしまいますわ」


「だって落ち着いていられないんだもの!」




いつ頃来るのかお母様からは何も知らされていない。

今来るのか、もうすぐなのかまだなのか…気になってそわそわしてしまう。

そんなことを考えながら落ち着かない体を動かしていると急にラナが私の腕を軽く揺すって慌てた様子で囁いてきた。




「皇女様!いらっしゃいましたよ…!」


「えっ本当!?」




ラナの言う通りサロンの扉をそっと開けると煌びやかな団体がこちらにやって来るのが見える。

私はラナと目を合わせてお互いに頷くと、私は扉から少し離れた位置に立ち直すと1つ咳払いをした。

ラナはタイミングを見計らってサロンの扉をゆっくり開ける。


すると目の前にはお母様を先頭に、王妃王女たちが一斉に私に注目した。





「皆様、遠いところようこそいらっしゃいました。お席にご案内致しますわ」




私は皇女モードに入り、優雅な笑みつくると各国の皆々様を席へと誘導した。

大陸中から集まっているということだけあって、それぞれのドレスであったり肌色の違いに驚く。
何より各々から溢れ出す気品に圧倒されて、さすが王族が集まっているだけあるな…と思った。
先程までしんと静まり返っていたサロンが一気に華やかな雰囲気に変わるのが分かった。