────────そして季節は変わり、秋がやってきた。

夏が終わって過ごしやすくなった今日この日はついにお茶会の日。

例のごとく私は朝から身支度を整え、お母様のチェックを受けている。




「…うん、全身OKよ」



お母様の厳しいチェックを終えて、私も侍女たちもホッと胸を撫で下ろす。

今日のドレスもまた特注品でお茶会のために用意された特別なものだ。
なんでもオーフェリア伝統のドレスと最近流行しているドレスを融合させたものらしい。
この前のパーティーの時とは違って何重にも重ねられたレースがふんわりと下半身を包む。
デザインはいかにも皇族という感じのデザインで、ここはオーフェリアの気品を感じさせるものだ。
お母様のドレスも似たようなデザインが施されている。
大陸一の帝国といわれるからにはドレス一着にも気を使わないといけない。






「今日は私に任せて、あなたはニコニコ笑っていればいいわよ」


「そうしたいのは山々なんですが…間違いなく私に視線が集まると思うので緊張します…」




この前のパーティーは国内の貴族たちを集めたものだったけれど、今日は違う。
外交問題にも関わる大事な大事なお茶会だ。
失敗は許されない。




「大丈夫。今日のために各国の招待客についてたくさん勉強したらしいじゃない。自信をもって!」



そう言ってお母様は私の肩をポンと軽く叩いて元気づけてくれた。