私はその後から時間を見つけては各国についての勉強を始めた。
ありがたいことに皇宮の図書館には様々な資料があるので勉強が捗る。
少しでも多くの情報をまとめて、話題づくりや友好的な関係づくりに協力しないと…。
本当に皇女というものは大変だ。




そんなある日の夜、頭の中を整理していたら全然眠れなくなってしまった。
体も頭も疲れているはずなのにアドレナリンが出ているというか…。

私はベッドから起き上がると、側においてある水をコップに注いで一気に飲み干す。




「(夜風にでも当たりに行こう…)」



そうすれば気分も落ち着いて眠れるだろうと思い、私は部屋の扉を開けた。




「皇女様、このような夜更けにどちらへ?」



皇宮内では夜でも騎士が厳重に警備をしている。
もちろん私の部屋の前にも。




「少し外の空気を吸ってくるわ。共は不要よ」


「ですがお1人では…」




皇女というのはこういう時でも1人になれない不自由なものだ。

そういえば前にラナに心配されたことがあるのを思い出す。
ここでまた1人でいたらまたラナに心配をかけてしまうだろう。

どうしようか考えていると思わぬ人物がこちらへ向かってきた。